Preclinical Development and In Vivo Evaluation Of Next-Generation Compstatin Analogs With Improved Systemic Profiles: A Novel Option For The Treatment Of Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinurea
Daniel Ricklin et al.
University of Pennsylvania, Philadelphia
PNHは、CD55およびCD59などの補体制御因子を欠損した血球がクローン性に拡大することによって引き起こされる、補体介在性の溶血性疾患である。エクリズマブは後期補体成分C5に特異的に結合し、血管内溶血を抑制することによって、PNHの諸症状を著しく改善する。その一方で、エクリズマブ治療を開始したことで、前期補体成分C3断片であるC3bのPNH血球への蓄積によるオプソニン化を介した血管外溶血が顕在化し、十分に貧血が改善できない症例も報告されている。そのため、C3を阻害することによって血管内および血管外溶血を抑制できれば、PNH患者にとってより大きな臨床的恩恵をもたらされると考えられる。
コンプスタチン類はC3に結合しその機能を阻害する環状ペプチドである。演者らは、その誘導体であるCp40(分子量=1.7kDa、C3に対するKd=0.5nM、血中半減期=12時間)およびPEG化Cp40(PEG-Cp40)を用いてPNHに対する新たな治療薬の可能性について検討した。
C3bのオプソニン化による血管外溶血は、エクリズマブが開発されたことによって顕在化した新たな課題である。
C3を阻害するコンプスタチン誘導体は、医療経済的にも大変魅力的ではあるが、Ex vivo並びにIn vivoにおける有効性の確認に加え、今後慎重な安全性の検証が必要である。
NPO法人「PNH倶楽部」は、発作性夜間血色素尿症(PNH)患者と家族の会です。サポートセンター、医療費助成基金、活動等についての情報が掲載されています。