発作性夜間ヘモグロビン尿症について

発作性夜間ヘモグロビン尿症について

発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria :以下PNH)は、補体による血管内溶血、骨髄不全および血栓症を主徴とする後天性かつ進行性の血液疾患です1)。 PNHは、後天的にPIG-A遺伝子に変異が生じた造血幹細胞がクローン性に拡大することにより発症します。 日本での推定有病者数は430人(100万人あたり3.6人:平成10年度疫学調査研究班)とまれな疾患ですが、症状は多様で、 進行性であり死亡リスクも高い生命に関わる疾患2-4)であるため、日常診療での早期診断と治療への早期介入がきわめて重要になります。

PNHにおいて溶血が引き起こす症状・疾患は多彩です
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PNHに関するポイント

  • PIG-A遺伝子に後天的変異を持った造血幹細胞クローンの拡大に起因
  • 補体による血管内溶血、骨髄不全および血栓症を主徴とする
  • 再生不良性貧血を代表とする後天性骨髄不全疾患との合併・相互移行がみられる
  • 多彩な臨床症状をもち、溶血が引き起こす合併症は予後にも影響する
  • 溶血に伴う症状により疲労、貧血、息切れや疼痛などQOLの低下がみられる
  • 日常診療での早期診断、治療への早期介入がPNH患者のQOLと予後に大きく影響する

1) Rosse W, et al. Int. J. Hematol. 2003;77:113-120.
2) Hillmen P, et al. N. Engl. J. Med. 1995;333:1253-1258.
3) Socie G, et al. Lancet. 1996;348:573-577.
4) Nishimura J, et al. Medicine. 2004;83:193-207.

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