PNHの病態

PNHの病態

PNHは、PIG-A遺伝子に後天的変異が起こり、その変異細胞がクローン性に拡大する造血幹細胞疾患です。 PIG-A遺伝子は、Glycosyl phosphatidylinositol(以下、GPI)アンカーの生合成に必須な遺伝子であり、GPIアンカー結合型膜蛋白質の細胞膜表面への局在に必要不可欠です。 常に補体の攻撃に曝されている赤血球は、健常者の場合、赤血球膜上のGPIアンカー型補体制御因子であるCD59やCD55により保護されています。 しかし、GPIアンカーの生合成に異常のあるPNH赤血球では、CD59やCD55の全部あるいは一部が欠損しているため、感染症などを契機とした補体の活性化により溶血を起こします。

PNHにおける欠損 Adapted from: Johnson RJ, et al. J Clin Pathol: Mol Pathol. 2002;55:145-152.
Brodsky R. Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria. In: Hematology - Basic Principles and Practices. 4th ed.
R Hoffman; EJ Benz; S Shattil et al, eds. Philadelphia, PA: Elsevier Churchill Livingstone; 2005: 419-427.
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PIG-A遺伝子における体細胞変異により、すべての
GPIアンカー型細胞膜蛋白の生合成ができない

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